祖国との精神的決別―石 平(せき へい)

経営者列伝
画像参照:産経ニュース

石 平(せき へい)
(1962―)

評論家・日本

中国四川省に生まれる。
文化大革命で両親が大学から追放され、
四川省の農村部で祖父に育てられるが、
祖父は11歳で死去。

中学校時代、下校中にいつも笑顔で

「勉強頑張ってね」

と声をかけてくれていたゴミ拾いの
貧しい老婆がある日突然いなくなり、
「反革命分子」として政府に逮捕
されたことを知る。

数日後に老婆はトラックに乗せられ
町中の市民に見せつけるため一巡
させられた後、処刑場で銃殺された。

この老婆が「反毛主席」の大罪で
処刑された理由が、ゴミ捨て場から
拾った新聞紙(毛沢東の顔写真を
印刷されていた)で大根を包んで
いたからということを知り衝撃を受ける。

北京大学に入学し中国民主化運動に
情熱を傾ける。1989年に勃発した
天安門事件で中国共産党に絶望し、
祖国中国と精神的決別した。

その前、留学中の日本で、中国の
古き時代の文化を守り発展させた
日本文化に魅力を感じるようになり、
孔子や論語の思想が日本の精神に
生き続けていると感激し、次第に
「愛日主義者」となっていった。

その後日本に帰化。

テレビで見たことがある人も多いと
思うが、彼の話は面白い。

興味深いという意味もあるが、
話がうまい。

著作も多数あるが、中国の内情は
もとより、日本のことに対する造詣
が深い。

特に習近平のことを

「アイツはアホ」

と揶揄したりする話はちょっとした
漫才より出来上がっている。

四川省は内陸部にあり、人々は
おだやかで、日本の農村部に
よく似ており、彼を惹きつける
ところもあるという。

祖国と精神的決別を果たさなければ
ならなかったつらい経験を、彼持ち前の
明るさと情熱で乗り切り、身の危険を
顧みず中国共産党批判をする様は
尊敬の念を禁じ得ない。

一部では中国のスパイなどと批判する
人もいるが、彼の話をよく聞けば、
アジアのことを丁寧に分析しており、
本当は中国の国民を憂い、
「中国共産党批判」
をしているだけ、ということは
すぐに分かると思う。

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