モノづくり企業の価格戦略①

価格戦略

「値決めは経営」と、たしか京セラの
稲盛さんが言っています。

お客さんに見積り価格を提示する時は
いつになっても少し緊張してしまいませんか?

ベストをつくしてやりきった神聖な気持ち
である時もあるし、利益が出せるか不安な
ときもあるのではないでしょうか。

モノを作って販売するまでの過程で必要な
コストは決まるとして、できるだけ高く売りたいですよね。

付加価値をどう付けるか、という話は
分量が多すぎるのでまた別の機会に。
だけど高く売るといってもどのくらい
高く売ればいいの?という疑問が出てきます。

極端な例ですが、

2歳児が描いた絵を1億円で売る、

ということも付加価値の付け方で
できないことはないですが、お客さんとの
長い信頼関係は結べないでしょう。

そこで高く売る、といってもこのあたりの
値段、と決めやすくする方法について、
今回は掘り下げてみたいと思います。

偉そうに語っていますが、
モノづくり企業の経営者
(自称カリスマ経営者笑)
であった私が価格を決める際に犯してきた
4つの失敗を先にご紹介したいと思います。

①かかったコストを元に価格を決める

マレーシアの当時治具や機械を設計して
作っていました。
鋼材や樹脂など色々なメカ部品、電気部品、
外注費、概算で見積もった工数、日数に人件費を
含めた会社の固定費を掛け算します。
そして顧客ごとに変えた係数をかけるという方法です。
(いつも発注してくれる会社は安めに、
いつも無茶を言ってくる会社は高額に
なるように変えている)

②過去の取引から同じような価格にする

過去に提出した見積り金額を基準から
あまり外れないようにする方法です。

正直に言うと、

「これでは利益が出ないな」

とわかっていても、面倒なのでこのままでいいか、
他の案件で利益出るし、ということもありました。

実際同じお客さんから複数の案件を受注する
ことがほとんどなので、お客さんごとに
ざっくりどんぶり勘定をしていたわけです。

③直接相見積もりを出す企業の価格をもとに決める

私くらいのカリスマ経営者(笑)になると、
お客さんが出す相見積もりの価格が
わかってしまいます。

実際にはお客さんが聞いてもないのに教えて
くれることが多かったですが、教えてくれなくても
競合の会社を良く知っている場合は
だんだん読めてきますよね?

なので私は相見積もりでお客さんから他の会社の
価格を教えられることがあまり好きでは
ありませんでした。
その価格を聞いてしまうと、その価格を基準に
してしまったり、気にしてしまって価格が
ブレてしまうと感じるからです。

④断るための高額な見積りを出す

以前言ったことがあるかもしれませんが、
スケジュールが埋まっていて、なおかつ
取引をしたことがない会社から見積り依頼がきて、
受注したくなかったけど間に入っている商社への
義理から、はっきり断れなかったため2倍近い
価格を提示したにもかかわらず受注してしまい
思い出したくないくらい大変な目に合ったことがあります(笑)。
最終的にこの案件利益がでないどころか赤字(笑)。

私の失敗談をたっぷり聞いていただいたところで、
じゃ結局モノの値段を決める時の基準は
どうやって決めればいいのよ?
というあなたの疑問にお答えしたいと思います。

あ、念のためコモディティ商品と呼ばれるような
一般化した商品やサービスの価格の付け方は
もっと複雑なので、グーグル先生にでも
聞いてみてください。

ここでは自社でモノを製造販売している人の
価格の付け方の基準です。

答え:「相手に与える価値の10倍以上で、
相手の選択肢の中で最良の選択になる価格」

我ながら解説している風に見せかけながら
煙に巻いているのではないかというこの答え。

解説は次回へ続く。

コメント

タイトルとURLをコピーしました